白無垢姿の花嫁って憧れちゃう！人気になっている「神前式」の内容

結婚式のスタイルは、大きく三つに分けられます。キリスト教のしきたりにのっとっておこなう「教会式」、ゲストの前で夫婦の誓いをする「人前式」、そして神殿や神社でおこなう厳かな「神前式」の三つです。

結婚式というと教会式を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、日本らしさを感じられる神前式に憧れるカップルが増えています。白無垢姿は、日本の花嫁の特権です。その神秘的な美しさに憧れている女性も多いのではないでしょうか。

この記事では、日本ならではの挙式スタイル「神前式」にスポットを当てました。神前式の成り立ちから作法まで、詳しくご紹介します。「どんな結婚式にしよう？」と迷っているプレ花嫁さん必見です！

 

「神前式」について詳しく知りたい！

神前式とは、神殿や神社で挙げる結婚式のことを言います。日本古来の挙式スタイルと思われがちですが、その歴史は意外に浅く、始まりは明治時代です。

明治33年におこなわれた大正天皇のご成婚が、初の神前式と言われています。その翌年に日比谷大明神（現・東京大神宮）で一般向けに神前式をおこなったことをきっかけに全国に広まりました。

花婿は紋付き袴、花嫁は白無垢姿が一般的。日本の民族衣装を身に着けて、神様の前で夫婦の誓いをする神前式は荘厳です。

現在では、神殿を構えているホテルや結婚式場も多くあるため、より気軽に神前式を挙げられるようになりました。もちろん、歴史ある神社で本格的な神前式を挙げることも可能です。神聖な雰囲気のなか、厳かなセレモニーを執りおこないたいカップルに最適と言えるでしょう。

では、神前式はどうやって執りおこなわれるのか、流れを具体的に見ていきましょう。

 

「神前式」の流れは？

ここでは神前式の内容や流れについてご紹介します。教会式や人前式がだいたい20～30分なのに対して、神前式は40～60分とかなり長いのが特徴的。神前式は、決められた儀式が多くあるためです。それでは、具体的な流れを見ていきましょう。

 

【神前式の流れ1】参列者入場

教会式はゲストが待機しているところに後から新郎新婦が入場するという流れですが、神前式は異なります。神前式では、新郎新婦・媒酌人夫婦・両親・家族・親戚の順番で一斉に入場します。

神殿への入場は、巫女が先導してくれるパターンが多いです。親族の座る位置は、正面の神棚に向かって右側が新郎、左側が新婦と決まっています。きちんと案内してもらえるので、心配は不要です。

 

【神前式の流れ2】修祓の儀（しゅうばつのぎ）

神前式を始める前に、「修祓の議」で身を清める必要があります。参列者全員が起立をしたら、神職が祓詞（はらいことば）を唱えて、身を清めます。身も心も清めてから、婚姻の儀式に移ります。

 

【神前式の流れ3】斎主一排（さいしゅいっぱい）

神殿に入場し、修祓の議も無事に終わると「斎主一排」をおこないます。改めて全員が起立し、まずは神様への敬意を全員で表すことが大切です。神職が神棚に向かって一拝をするので、参列者も合わせて一拝しましょう。

 

【神前式の流れ4】祝詞奏上（のりとそうじょう）

続いては「祝詞奏上」、これは神職を通して神様に結婚の報告をするという儀式です。結婚の報告と祝詞を読み上げて神様に思いを伝えます。同時にふたり、そして親族の幸せが永遠に続くように祈ります。

基本的に参列者は神職の動きをそのまま真似します。神職が着席したら参列者も着席しましょう。

 

【神前式の流れ5】三三九度の盃（はい）

祝詞奏上に続き、「三三九度の盃」です。神前式と言えば、三三九度の儀式を思い浮かべる人も多いことでしょう。大きさの異なる三つの盃を三回に渡って飲み干す儀式です。この儀式は神前式のハイライトとも言えるので、作法を頭に入れておきましょう。

【1】新郎新婦の前に盃とお神酒が、次に大きさの違う大・中・小の盃が準備されます。

【2】一口目、二口目は盃を傾けて口をつけるようにして、三口目は飲み干すようにしましょう。お酒の苦手な方や控えている方は、残しても構いません。また事前にこっそりお水にかえてもらってもOK。

【3】一番小さな盃は、「新郎が受ける→飲む→新婦に渡す→新婦が飲む」という流れですが、二番目の盃は新婦が受け取り、飲んで新郎に渡して飲むという流れになります。

【4】最後の盃は、新郎が受け取って新婦に渡すという最初の流れに戻ります。新郎と新婦の間でもきちんと流れを確認しておきましょう。

この三三九度の盃で、新郎新婦は永遠の契りを結びます。このお酒は神酒と言われ、これには子孫繁栄や魔よけの意味も込められています。

 

【神前式の流れ6】指輪の交換

指輪の交換は、元々は神前式になかったものですが、結婚指輪を身に着ける習慣が広がった昭和中盤ごろから要望が高まり、昭和30年代になって取り入れられるようになりました。教会式のように神前式でも指輪の交換ができます。

 

【神前式の流れ7】神楽奉納（かぐらほうのう）

「神楽奉納」とは、祈願主（ここでは新郎新婦）に代わって、神職が神様に神楽（舞のこと）を奉納するご祈祷のこと。四方を弓矢で射り、災いを寄せ付けないというお払いの意味が込められています。

神楽奉納の儀式に関しては、神社ごとの違いが色濃く反映されます。奉納そのものがない場合もありますし、流れとしてここの順番に当てはまらない場合もあります。事前に挙式を挙げる神社や神殿に確認しておきましょう。

 

【神前式の流れ8】誓詞奏上（せいしそうじょう）

「誓詞奏上」とは、教会式で言うところの「誓いの言葉」です。新郎新婦が一歩前に出て、新郎が誓いの詞を読み上げます。新郎が自分の名前を読み上げた後に、新婦が読み上げて完了です。誓いの詞は巻き紙に書かれていることが多いので、読み上げたら巻きなおして神様が祭られている神前に捧げます。

 

【神前式の流れ9】玉串奉奠（たまぐしほうてん）

次に「玉串奉奠」をおこないます。玉串奉奠とは、神前に玉串を献上して捧げる儀式のことを言います。玉串とは、榊・樫・杉などの小枝に、紙垂（しで）や木綿（ゆう）を結んだ神事には欠かせないもの。新郎新婦から仲人夫婦、両家代表の順番に玉串を神様に捧げましょう。

 

【神前式の流れ10】巫女の舞

永遠の契りを交わした新郎新婦の新しい門出を祝って、巫女の舞が奉納されます。

 

【神前式の流れ11】親族盃の儀（しんぞくはいのぎ）

結婚は夫婦ふたりだけではなく、家同士の結びつきでもあります。「親族盃の儀」とは、両家の絆を深めるために親族も盃を交わす儀式のこと。親族全員に注がれたお神酒を起立して一斉に飲み干します。この時、一気にではなく三度で飲み干すのが正しい作法です。

 

【神前式の流れ12】斎主一拝（さいしゅいっぱい）

いよいよ神前式も、「斎主一拝」とともに終わりを迎えます。「神前式が滞りなく済みました」という神様への報告とお礼の意味を込めて、全員で神棚に向かってお礼をします。最後は、きちんと感謝の気持ちを伝えるようにしてください。

 

【神前式の流れ13】退場

滞りなく神前式が終了したら、神職が退場、それに続いて新郎新婦、仲人、親戚の順番で退場します。最後まで気を抜かずに取り組むようにしてくださいね。これで神前式のすべての儀式が終了です。

 

伝統的な「神前式」で夫婦の誓いを立てましょう

日本らしい結婚式のスタイルである神前式について、詳しく解説しました。自由度の高い人前式はもちろん、キリスト教式と比べても厳粛な印象の神前式。ライフスタイルが多様化し、さまざまな結婚式が生まれるなか、クラシカルな神前式は逆に新鮮というカップルが増えています。

「家族挙式」では、「家族挙式 神社結婚式」として神前式が可能な神社やホテルなどを取りそろえ、プランをご提供しています。一生に一度の結婚式だからこそ、日本ならではの伝統的な神前式を挙げてみてはいかがでしょうか。