ゴンドラ!?スモーク!?1980年代のハデ婚ってどんなだったの?
現代の結婚式はそれこそ多様化しており、自分たちで作るようなオリジナリティあふれるものや、飾りすぎないナチュラルなものなどが人気となっています。
この結婚式のスタイルですが、時代によってどのように移り変わってきたのでしょうか。
実は、結婚式のトレンドは10年単位で移り変わるといわれており、時代を映し出す鏡とも言われています。不況の時には質素な結婚式が流行り、景気のいい時には派手な結婚式に人気が集まったりするものです。
なかでも、その豪華さ・華やかさが突出していたのは何といっても1980年代の結婚式でしょう。いわゆる「ハデ婚」が流行っていた時代です。
1980年代と言えば時代そのものがバブル好景気に湧いていた時代でしたから、なんでも煌びやかで豪華、それに加えて一生に一度の結婚式ですので、その豪華さや結婚式にかかる費用は今では考えられないほどのものでした。
更にその豪華なハデ婚を後押ししたのが「有名芸能人たちのドハデ婚」です。当時を代表するビッグカップルたちの結婚式は生放送で中継が入り、一般の人にまでよく知られるようになりました。
そんな芸能人たちの豪華な結婚式を見た当時のカップルたちが「結婚式って、ああいうことをするものなのね」「自分たちもあんな結婚式をしてみたい!」と影響を受け、自分たちのできる範囲で贅の限りを尽くした結婚式が流行るようになったのです。
それでは1980年代のハデ婚って一体どんなものだったのでしょうか?
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目次
ハデ婚ブームを牽引した芸能人の結婚式
芸能人のハデ婚の代表的なものとしては、やはり三浦友和さん&山口百恵さん、神田正輝さん&松田聖子さん、郷ひろみさん&二谷友里恵さんなど当時を代表するビッグカップルたちの結婚式です。
当時、結婚式の中継には日本中がテレビの前に釘付けになり絶大な影響力を誇りました。
◎三浦友和さん&山口百恵さん(1980年)
・TV中継平均視聴率 30.7%
・総費用 推定2億円
・結婚式場 霊南坂教会
・披露宴会場 東京プリンスホテル
・招待客 約1800名
昭和のアイドルの突然の結婚ということで注目度の高かった三浦友和さんと山口百恵さんの結婚式は実に1800名ものゲストが出席したということですから、その派手さに驚きです。
山口百恵さんが人気絶頂のさなかに完全引退ということもあり、日本武道館で行われたファイナルコンサートの場で、マイクをステージにおいて去っていたシーンは、今でも語り継がれている名場面ですね。
◎神田正輝さん&松田聖子さん(1985年)
・TV中継平均視聴率 34.9%
・総費用 推定2億円
・結婚式場 目黒サレジオ教会
・披露宴会場 ホテルニューオータニ
・披露宴司会 徳光和夫さん
・招待客 約500名
こちらも80年代を代表するトップアイドル、松田聖子さんと石原プロのイケメン俳優神田正輝さんとの結婚とあって、国民の興味も高く視聴率は34.9%を記録しました。
松田聖子さんと言えば、恋多き女性としても有名で、そのようなこともあって更に注目度も高かったようですね。
郷ひろみさん&二谷友里恵さん(1987年)
・TV中継視聴率 47.6%
・総費用 推定3億5000万円
・結婚式場 霊南坂教会
・披露宴会場 新高輪プリンスホテル(現・グランドプリンスホテル新高輪)
・披露宴司会 古館伊知郎さん
・招待客 約1000名
何と視聴率が47.6%!今ではあり得ないほどの視聴率です。国民の約半分が見ていたという伝説の結婚式が、郷ひろみさんと二谷友里恵さんとの結婚式です。
ちなみに、郷ひろみさん達の結婚記者会見では指輪の値段を聞かれ「給料の3か月分です」と答えたことも話題になりました。
よく、婚約指輪は給料の3か月分と言われていますが、これは世界最大のダイヤモンド原石を扱うデビアス社が考えたフレーズです。それを世に知らしめたのがこの郷ひろみさんのセリフともいわれています。
この他にも、五木ひろしさん&和由布子さん(1989年)の結婚式はなんと「5億円結婚式」と言われ、高さ11mのウエディングケーキをはじめ、贅の限りを尽くしたものだったようです。
新郎新婦の登場シーンはインパクト命!?
ハデ婚の特徴のひとつとして、新郎新婦の登場シーンの華やかさがあります。本人たちは主役気分を満喫し、ゲストも大いに盛り上がりました。
具体的にどのような登場の仕方があったのでしょうか。
- 天井にはミラーボール、スモークとレーザービームの光の中をゴンドラに乗って登場
- 会場内に飾ってあった大きな風船が割れ、その中から登場
- 和装の時は人力車、ドレス&タキシードにお色直し後はオープンカーに乗って登場
- 船上パーティーでは、打ち上げ花火とともにモーターボートにのって海の上から登場
- 軽井沢などの高原の会場で行い、白馬に乗って登場
- ヘリコプターで港のヘリポートに降り立ち、そこから客船を貸し切って披露宴
このように、現代では想像もつかないような登場方法が「普通」だった時代でした。芸能人や富豪の方々がやるならともかく、一般の人々もこれらを行っていたのには驚きですね。
ハデ婚ならではの華やかな演出
今では少なくなった演出も、当時は「結婚式では普通にやるものだと思っていた」との声も。当時は現在のようにインターネットなどで情報を集めることもできませんでしたし、つい自分が出席した結婚式や芸能人の結婚式をテレビで見て、自分たちもそういうものかと思って結婚式で取り入れていたようです。
よく分からないまま、周りもみんなやっているからと思ってやっていたところもあるようですね。
では、具体的にどんな演出がされていたのでしょうか。
- 挙式後にたくさんの白いハトを一斉に飛ばす
- お色直しが2~3回(和装、ウエディングドレス、カラードレスのフルコースも)
- ゲストは100人超(新郎新婦が直接知らない地元の名士や両親関係の来賓も多かった)
- ウエディングケーキがやたら大きい(イミテーションケーキの為、数メートルほどのものも普通)
- キャンドルサービス&豪華なメインキャンドル(当時は必須の演出だった)
- 引出物が持ちきれないほどたくさん(特に地方などでは大きい物になる傾向あり)
現在でもホテルウエディングなどでは大きなイミテーションケーキが使われていたりもしますが、お色直しが2~3回や持ちきれないほどの引き出物など、なかなか現在では見られない演出ですね。
とにかく時間もお金もたっぷりかけた演出が好まれていました。
いかがでしたか。
1980年代の「ハデ婚」をご紹介しました。
シンプルなジミ婚時代を経た現在、またハデ婚に回帰する流れもあり、現代では結婚式は二極化しているという声もあります。
実際、新郎新婦側からは「一生に一度の主役になれる日だから」という思いがあったり、ハデ婚に出席したゲストにとっても「華やかで面白かったし、新鮮だった」と華やかなお祝いムードを楽しんでもらえたりするようです。
現代のナチュラルムードあふれる質素な結婚式もいいものですが、内容が似てきてしまって、ゲストにとってもマンネリ化が進んでいるのが現状です。
そのため、人とは違う何かを取り入れると、新鮮で思い出に残る式となること間違いなしです。
プログラムの一部に「ハデ婚」を取り入れてみると、若い人には新鮮で年配の人なら懐かしく感じることができるため、ゲストにとってもいいかもしれませんね。
ジミ婚にしてゲストが残念な、物足りない気持ちになることは、特に1980年代のような豪華なハデ婚を経験した方々にとってみれば無きにしもあらずというところですが、ハデ婚にして気分を害するゲストはそういませんので、ぜひ検討してみてください。
あなたたちの結婚式が、一生の思い出に残る素敵なものになりますように…、