知ってた?結婚式のご祝儀と贈与税との関係
盛大な結婚式を挙げると、多額のご祝儀が集まります。結婚式の規模や招待客の人数に合わせてもちろんご祝儀の金額も変わってきますよね。
冷静に考えると、労働に対する対価でもなく結婚式を挙げただけで、たった1日で高額なお金が手に入るというのはちょっとびっくりしてしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。
普通に生活をしていてなかなか何百万というお金が一瞬にして集まることはありません!
そこでふと、気になることといえば…そう、税金のことです。普通、まとまったお金を手に入れたら「税金」がかかってしまいますよね?
自分の給料などに関しての税金は申告漏れがないようにきちんと納めますが、自分で働いて稼いだお金ではないとはいえ高額なお金が動く結婚式のご祝儀ではどうしたら良いのか迷ってしまいます。
周りにも聞きづらいお金関係のことですので、なかなか確認がしにくいものです。
そこで今回は結婚式のご祝儀と税金の関係について迫ります!
所得税でもなく、住民税でもない、結婚式のご祝儀の場合は「贈与税」に当てはまります。
いったい、結婚式のご祝儀と贈与税との関係はどのようなものなのでしょうか。
今回は、これから結婚式を挙げる予定の皆さんはもちろん、もうすでに結婚式は挙げたけれども、税については何も考えていなかったという皆さんにも一緒に確認して欲しいと思います。
もう結婚式を挙げたけれど、これから贈与税を払わないといけないの?脱税になるの?などと慌てる前に一度確認しておきましょう。
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目次
そもそも、贈与税とは?
「贈与税なんて、意識したこともなかった」「贈与税って何?」という方も多いでしょう。
「贈与税」といえば遺産相続などで聞くような言葉ですので、結婚式の際にこの言葉を意識する人はまず少ないと言えるでしょう。
そのため、最初に贈与税について詳しくご説明していきますね。
まず、頭の中に贈与税に関する予備知識をきちんと入れておきましょう。
贈与税とは消費税、住民税などと並んで国税の1つで、相手から贈与された財産に課せられるものです。ただ、贈与税は個人から財産を貰った時にかかる税金のことですので、もしも法人から貰った場合は所得税になりますのでご注意ください。
特に普段サラリーマンとして会社勤めをしており、税金関係は会社に任せているため自分で行っていないという方で、遺産や土地などの相続といったような状況にもなったことがない場合は、税金の話はあまり身近なものではないかもしれません。
しかし、うっかりしていて「脱税」なんてことになっても大変です。「知らなかった」では済まされないのが「税金」です。
あらかじめ自分は納める義務があるのかどうかを、きちんと把握しておく必要があります。
少し難しい言葉が出てくるかもしれませんが、ゆっくり噛み砕いていきましょうね。
まず贈与税の場合は、基礎控除額が110万円に定められているので、1年間で贈与された金額が110万円以下であれば、あまり気にすることはありません。
基礎控除額というのは、納税者の負担を軽減するために皆の所得や、今回であれば贈与額の一部を除外するための額です。それぞれの税について額が決められており、贈与税の場合は110万円と決められています。
つまり、親族やご祝儀などでいただいた額が110万円以下であれば、贈与税の支払い義務がないので、気にする必要がないのです!
ただし覚えておいて欲しいのは、たとえ110万円以上受け取ったとしても、必ず贈与税が発生するとは限らないことです。ここが、贈与税の最大のポイントです!
贈与税の基礎控除額が110万円と定められており、それを超えてしまったとしても贈与税を払う必要がないことがあるのです。
その1つの目安としては「一般的にそのくらいの額なら仕方ないだろう」「平均的な値段だろう」となれば、贈与額は発生しないのです。
え?一般的な額ってどのくらい?と思ってしまいますよね。
実は、明確な基準が設けられていないのです。
見極めが難しいところですよね!
もっと詳しく知りたいという方は、国税庁のHPで確かな情報を手に入れることをオススメいたします。
国税庁参考URL:http://www.nta.go.jp/taxanswer/zoyo/4402.htm
結婚式に貰ったご祝儀は、贈与税の対象?
結婚式を挙げた際に、出席者の方々からたくさんのご祝儀を頂戴すると思います。家族、友人、知人、同僚などから、お祝いの気持ちとしてお金を頂くのは大変ありがたいことですよね。
ご祝儀は、新郎新婦とゲストとの関係性や年齢によって金額が変わってきます。週刊誌などで報じられる芸能人だとその額も驚きの額だったりしますが、一般的には20代のうちは一人のゲストからいただくご祝儀額は2~3万円、30代・40代になってくると3~5万円が平均金額となっています。
父親&母親のための結婚準備マニュアルである「親ごころゼクシィ」によりますと、結婚式や披露宴に呼ぶゲストの数にもよりますが、平均してご祝儀の総額が200~250万円あたりで落ち着いている人が多いようです。
これでは、110万円の控除分を差し引いたとしても贈与税が発生することになってしまいます。
地域や職業、ゲストの数にもよりますがなんと中には500~600万円のとても高額なご祝儀を受け取る人もいるのです!
金額だけ聞くと驚いてしまいますが、結婚式の招待人数がとても多い場合は当然ご祝儀が高額になってしまうでしょう。
しかし、ゲストが増えるとその分会場も広くなりますし金額も上がります。また、ご祝儀の多くはゲストの料理や引き出物に充てられますので、支出と収入のバランスを考えると、あまり驚くべき数字でもありません。
ここで大きなポイントとなるのが、社会的な通念です。「一般的には、そのくらいの金額は妥当だろう」となれば、贈与税の対象とはならないのです。
ですので、金額だけを見てもそれと会場や料理のグレードなどと併せてみて妥当な額だと判断されれば、贈与税を支払う必要がないのです。
心配しないで!税務局も意外と寛大
贈与税の基礎控除額などについてお伝えしましたが、いくら社会通念的に妥当な額と認められて控除されたとしても、「結婚式のご祝儀まで、税のことを気にしなきゃいけないの?」とナーバスになる人も多いでしょう。
しかし、決してそのようなことはありません。
実は、厳しいように見える国税局や税務署は、おめでたいことに関しては結構厳しいことはあまり言わないのです。
社会的通念に関しては、もう個人の考えの範囲内と思っておいて良いでしょう。
例えば、一口10~15万円のご祝儀であれば、会社単位や近しい親戚ならよくある話ですが、一口100~200万円のご祝儀というと少し多すぎるかな?と受け取ることもできます。
全てをまとめて考えると、ご祝儀に関してはあまり贈与税のことを考えなくても良いでしょう。社会的通念というやんわりとした枠の中で、気楽に考えて頂いて結構です。
他にもある!結婚式と贈与税にまつわる疑問
ご祝儀だけではなく、他にも結婚式と贈与税にまつわる疑問を抱いている人は少なくありません。最後まで、しっかりと確認していきましょう。
結婚式の費用は両親が肩代わり!この場合、贈与税は?
基本的に贈与税はかからないと覚えておきましょう。もし、お父さんから高額な財産を受け取った場合は、贈与税がかかってしまうと思いますが、代わりに払ってもらった場合はかかりません。
ご両親が結婚式の費用を出してくれるなんてありがたいことです。
贈与税のことなどは何も心配することなく、ありがたく支払ってもらいましょう。
両親から、結婚式の費用を貰った。贈与税はかかる?
上述の「両親に結婚費用を肩代わりしてもらった」場合と似ているように思えますが、実はこれ、間違いなく金額によります。もしも、1年間に貰ったお金の合計が110万円以内であれば問題はありませんが、それ以上の場合は贈与税が発生します。
せっかくの両親からの好意のお金に税金がかかるなんて少し残念な気もしてしまいます。
ですが、上述のようにそれが結婚式の費用を肩代わりしてくれた場合は贈与税がかからないので、受け取り方を変えるようにすればよさそうですね。
結納金に贈与税は必要?
結納を挙げると、少なからず結納金のやり取りが発生してくると思います。そこで贈与税が発生するかどうかは、やはり金額によります。
贈与税の有無は110万円という数字が基準となりますので、しっかり覚えておきましょう。
事前にこの額が頭に入っているかどうかでうまく調整できそうです。
いかがでしょうか?
今回は、結婚式のご祝儀と贈与税の関係をご紹介させて頂きました。贈与税という言葉に聞き慣れず、「税金」という言葉にびっくりしてしまった人もいることでしょう。
しかし、基礎控除額や、受け取り方について知っておくと、贈与税について慌てなくてすむことがわかりました。
基本的には基礎控除額の110万円という数字が基準になりますが、もし超えてしまった場合でも社会的通念の範囲内であれば、贈与税がかかることはないと覚えておきましょう。
税金などの管理は特にきっちりとしている日本人!
ですが、おめでたいことには細かく口を挟まないおおらかさがあるようです。
せっかくの晴れ舞台に、お金の、しかも税金のことであれこれ悩みたくないですので、これは嬉しいですね。
カップルによって、親からの援助の有無やその額の大きさ、そしてゲストの人数やご祝儀額などが変わりますので一概には言えないことですが、結婚式で出席者の方々から頂戴する贈与税に関しては多くの場合支払わなくて済みますので、あまり深く考えすぎないようにしましょう。