地域独自!日本各地の特徴的な引き出物を紹介


マナーや習慣をはじめ、地域の特徴が色濃く出る結婚式。それは、引き出物にも当てはまります。近年、全国的にはカタログギフトが引き出物の主流ですが、その地域ならではの特徴的な引き出物が支持されているケースも見られます。

そこでこの記事では、日本全国の特徴的な引き出物の一部を、ピックアップしてご紹介します。引き出物の種類や渡し方、数量なども地域によって違いがあり、とても興味深いものです。ご自身やパートナーの出身地で親しまれている引き出物の特徴もチェックしてみてくださいね。

 

最近の引き出物事情と地域別のマナーは?


引き出物は、結婚式に招待したゲストへのお礼、感謝の気持ちとして用意する贈り物のことです。引き出物の数は、3個が一般的。メインの引き出物に引き菓子、縁起物を送ることが多いようです。以前は2個、4個といった割り切れる数字は別れを連想させることから避けるのが常識とされていましたが、現在は、そこまで気にされなくなってきています。

このように、引き出物に関するマナーや習慣も時代に合わせて変化してきました。しかしその反面、地域性を感じられる特徴的な引き出物文化も、日本各地に根強く残っています。それでは、地域ごとの特徴を具体的にご紹介しましょう。

 

北海道の結婚式は会費制が多数!地域独自の引き出物は?

北海道の結婚式は、他の地域に比べるととても独特です。全国的には、結婚式にご祝儀を持参するのが一般的ですが、北海道の結婚式はほとんどが会費制。さらには、上座に親族が座るなど、他の地域ではほとんど見られない風習があります。

引き出物の数も1品が当たり前。カタログギフトを選ぶ新郎新婦もいますが、圧倒的に多いのはお菓子です。引き菓子のみをゲストに贈るのが北海道流です。お菓子の内容は、さまざまですが、ゲストに合わせて、贈り分けをするのも特徴的。引き出物ひとつをとっても、北海道独自の文化が根付いていますね。

 

東北地方の引き出物は、地域ごとに特色が!

エリアにもよりますが、東北地方では寝具を引き出物に選ぶことが多いです。ただし寝具はかさ張るため、結婚式の数日前にゲスト宅に配送することも。また、同じ東北でも寝具以外にも特徴的な引き出物が見られます。

岩手県では新郎新婦の名前が入った品を送るという習慣があります。また宮城県の一部地域では、「細工かまぼこ」と呼ばれる、鯛の形をした大きなかまぼこを引き出物として配るケースも。どちらも昔ながらの風習が継承されている、大変興味深い引き出物です。

 

関東地方は栃木県で地域独自の引き出物が!

関東地方のなかでも、東京などの都市部は日本全国から人が集まってくるため、その地域ならではの特徴的な引き出物があるエリアはあまりありません。しかし唯一、栃木県に地域独自の引き出物が見られます。

栃木県では、鰹節と赤飯を引き出物として贈る習慣があります。鰹節は、背中部分を雄節、お腹部分を雌節と呼ぶため「夫婦が生涯仲睦まじく暮らせるよう」という願いが込められています。また、赤飯はおめでたい席に食べる縁起のいいもの。邪気をはらうと言われており、今でも引き出物として選ばれています。

 

北陸地方の引き出物は予算も高く豪華!文化の継承も興味深い

北陸地方の結婚式は他の地域と比べると派手で、引き出物もとても豪華。引き出物にかける予算は、全国平均の5,000円を大幅に上回り、1万円を超えるとも言われています。

新潟県では、メインの引き出物や引菓子の他、かご盛りの果物、赤飯などを贈ります。さらに特徴的なのは、「松の葉」と呼ばれる引き出物が贈られること。松の葉とは新郎新婦の名前が書かれた熨斗をつけた引き出物のことを言います。ゲストに新郎新婦の名前を披露するための風習で、タオルなどの日用品を送ることが多いようです。

また富山県では、細工かまぼこ、石川県で五色生菓子と呼ばれるお饅頭と、鶴と亀をかたどったお菓子を引き出物として贈ります。北陸地方は地域によって独自の文化が継承されていて、興味深いですね。

 

東海地方は引き出物の品数が多め!地域特有の文化「名披露目」も

東海地方のなかでも名古屋の結婚式が派手で豪華というのは、全国的にも有名です。それに比例して、引き出物も3品から5品と多く、なかには7品贈る新郎新婦もいるほど。

特徴的なのは、「名披露目(なびろめ)」という文化が残っていることです。新潟県の松の葉と同じように、新郎新婦の名前が書かれた熨斗をつけた引き出物をゲストに贈ります。こちらも1000円程度のタオルや食品が選ばれています。

 

関西地方は、地域によって引き出物の内容も多種多様!

関西地方では、地域によって多種多様な引き出物が見られます。まず独自の結婚式文化が残る滋賀県は、エリアによって引き出物の内容が異なります。例えば、長浜市周辺では、「おちつきぼた餅」というつぶあんの入った紅白のぼた餅を引き出物に贈る習慣が。また湖北地方では生鯛を贈る文化も見られ、エリアによる大きな違いがあります。

兵庫県の淡路島では、滋賀のおちつきぼた餅のような「お嫁入り饅頭」を引き出物に贈ります。和歌山県では、特産品である梅干しを贈ることもあるそうですよ。

 

中国・四国地方で見られる、地域独自の引き出物はカラフル!

中国・四国地方では、香川県でカラフルな引き出物が見られます。香川県西部の伝統菓子である「おいり」を引き菓子にすることがあるのです。おいりとは、小さくて丸いカラフルなあられのお菓子。結婚式に配る引き出物として、親しまれてきました。ひなあられをイメージすると分かりやすいでしょう。おいりは、愛媛県の一部でも食べられています。

 

九州・沖縄地方では、ポルトガルから伝わった引き菓子を出す地域が!

九州・沖縄地方の引き出物のなかで、特徴的なのは佐賀県の「千代結び」です。紅白が美しい千代結びは、ポルトガルから伝わった砂糖菓子「有平糖」の一種。結び目に終わりがなく、ほどけない千代結びは縁起物の引菓子にぴったりで、佐賀県で長く愛されてきました。

近年ではあまり見かけなくなったようですが、ノスタルジックな千代結びをあえて引き出物に選んでみても良いですね。

 

個性豊かな地域独自の引き出物を取り入れよう


日本各地の特徴的な引き出物をピックアップしてご紹介しました。引き出物には、それぞれ日本各地の文化や習慣が根付いています。今ではあまり見かけなくなったものもありますが、自分の暮らす地域や大好きな地元の引き出物文化を取り入れてみるのも素敵です。ぜひこの記事を引き出物選びの参考にしてくださいね。

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