遠方ゲストへのお車代、相場と渡し方
自分たちの結婚式には、親族や友人などお世話になった人たちをお招きしたいですよね。しかし、すべての人が結婚式場から近い場所に住んでいるとは限りません。
とくに遠方から来てもらう場合、ただでさえご祝儀で負担をかけるのに、交通費や宿泊代まで支払ってもらうのは気が引けると考えている人も多いのではないでしょうか。
そんなときに新郎新婦からゲストに渡すのが、「お車代」です。しかしこのお車代、はじめて結婚式を挙げるカップルにとっては、いくらぐらい渡すものか、渡すタイミングはいつなのか、包み方や表書き方はどうするのか、などわからないことが盛りだくさんですね。
ここでは、そんなお車代の相場や渡し方など、お車代のマナーについてご紹介していきます。知らないうちにマナー違反をしているということがないように、しっかりマナーを覚えましょう。
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目次
お車代は、遠方ゲスト以外に渡すことも
お車代は、交通費として渡すお礼のこと。「遠方ゲスト」に渡すイメージがありますが、「主賓や乾杯を頼んだゲスト」や「仲人」にもお礼としてお車代を渡すことがあります。
上記で挙げたゲストにはお車代を出すのは結婚式のマナーの一つですが、以下のような場合は渡さないこともあります。
- ハイヤーなど、自分たちで交通手段を手配した場合
- 飛行機や新幹線のチケットを購入してゲストに渡した場合
- お車代分の予算がない場合
- お互いに出さないと決めている場合
- 交通費の代わりにご祝儀を辞退する場合
交通手段や宿泊先を自分たちで用意している場合は別ですが、自分たちの事情でお車代を出せない(出さない)場合は、事前に「お車代がでない」ことを伝えておくのがマナーです。お車代が出ると思っているゲストもいるため、相手と微妙な空気になってしまうこともあります。
お車代が出ない場合は、「お車代を出せませんが、出席してもらえませんか?」など、事前に確認を取ってからゲストを招待しましょう。
どこからが遠方ゲスト?誰にお車代を渡すか決めよう
お車代を渡す上での悩みといえば、「誰にお車代を渡すのか」ということではないでしょうか。どこから遠方ゲストとするのか、というのは新郎新婦二人の判断によります。そのため、カップルによって誰にいくら渡したのか、というのは変わってきます。
一般的に、お車代を渡す相手や金額を考えるときに考慮するのは以下の事項です。
- ゲストとの関係性
- 必要となる交通費の金額
- 利用する交通機関の種類
- 会場に来るまでにかかる時間
- 相手の結婚式の事例
とくに多いのが、交通費の金額。「○万円以上からは渡す」と線引きすると二人にとっても線引きがしやすいのではないでしょうか。金額は、公共交通機関を参考に。
また過去にゲストの結婚式呼ばれた経験がある場合、同じ金額を渡す人も。親族内で決まり事となっているケースもあるので、親に相談してみましょう。
忘れてはいけないのが、同じ立場のゲストには同じ金額を公平に渡す、ということ。同じ場所から来てもらっているにも関わらず、友人Aには渡さず、友人Bには渡すということはないようにしましょう。
後から友人同士がお車代の話をする可能性もあります。モヤモヤとした気分にさせてしまないようにしたいですね。
お車代の相場は、いくら?
では、お車代としてゲストに渡す金額はいくらが相場なのでしょうか?主賓、乾杯、仲人を頼んだゲスト、遠方ゲストの相場はそれぞれ、以下の通りです。
- 主賓、乾杯、仲人を頼んだゲスト……1万円~
- 遠方ゲスト……交通費の半額~全額
お車代は、キリの良い金額を渡すのがマナー。結婚式のご祝儀では「偶数の金額はNG」とういう言葉をよく耳にしますが、新郎新婦から渡すお車代にその縁起を担ぐ必要はありません。
また、お車代は多ければ良いというものでもありません。多すぎるとゲストに気を使わせることになるので、あらかじめどれぐらいの費用が掛かるのかを自分たちで調べ、それに沿った金額を渡すようにしてください。
「お車代」の包み方
大体の金額が分かったら、今度は包み方が気になるところですね。実は、お車代を包むのは金額によって変わってきます。以下を参考にしてくださいね。
お車代を包む袋の種類
お車代はご祝儀袋に入れるのがマナーですが、金額によって使うご祝儀袋のサイズや種類を変えるのもポイントです。前日になって慌てて「ご祝儀袋が無い!」ということがないように、準備を整えておきましょう。
- 1万円以下……ポチ袋サイズ(お札を折って入れるサイズ)
- 1万円以上……水引(※)が印刷されたご祝儀袋(お札をそのまま入れられるサイズ)
- 5万円以上……水引がついた格式高いご祝儀袋
※水引は、ご祝儀袋にかけるリボンのようなもの。ご祝儀袋を購入しにいくと水引にはいくつか種類があることがわかると思いますが、種類によってそれぞれ意味が異なるので、慎重に選びましょう。
- 結び切り……堅結びをした水引で、先端が上側に2本出ている
- あわじ結び……結び目の部分が、円が重なるような見た目になっている水引
- 蝶結び……蝶結びがされた水引
婚礼の場では「末永くおつき合いする」ことを願って、「結び切り」の水引を使います。ほかにも、両端を持って引っ張るとさらに強く結ばれる、結びきりの「あわじ結び」の水引もよく使われます。
対して、蝶結びは出産のような「何度あっても喜ばしい祝いごと」に用いるための水引なので、結婚式には相応しくありません。
表書きの書き方
お車代の封筒の表にはどのように書けばよいのでしょう。以下の点に注意して書くようにしましょう。
- 「お車代」「御車代」「御車料」などを封筒の真ん中に書きます。(あらかじめ印刷されているものもあります)
- 表書きの下には、招いた側の名字を記載しましょう。筆ペンや毛筆で書くのが望ましいです。
しっかりと「お車代」であることと、名前が記されていれば問題ありません。
紙幣は「新札」を用意
封筒に入れるお札は、折る場合もそうでない場合も「新札」を用意するようにしましょう。新札を用意する理由は、「これはあなたのために準備したお金です」という気持ちを表すためです。
こだわらない人もいるかもしれませんが、こういったところで気持ちを伝えることができますので、できるだけ細部にもこだわりましょう。
「お車代」の渡し方
お車代を実際に渡すときはどのように渡すのが良いのでしょうか。
お車代は、新郎新婦からゲストへのお礼なので二人から渡すのが理想ですが、当日は何かと忙しくゲストにお車代を渡す余裕がないカップルがほとんど。そのため、受付のタイミングで渡したり、親から渡してもらったという先輩カップルが多いです。
いずれにしても、目立たないようにこっそりと渡してもらうのがマナーです。
「受付時に渡してもらう場合」「親に渡してもらう場合」それぞれの渡し方について詳しく見ていきましょう。渡す相手の立場によって渡し方を変えた方が良い場合もあるので、しっかりチェックしてください。
受付をお願いしている人から渡してもらう場合
お車代を渡す予定のゲストが到着し、記帳を済ませたら「お二人からお預かりしています」と言って、そっと渡してもらうようします。
ご祝儀を受け取ったその場でさっと渡せるので、違和感もないですし渡す側にとっても名前をしっかりと確認したうえで渡せる絶好のタイミングです。こちらはどちらかというと友人などにお車代を渡す際によく使われる手法です。
親から渡してもらう方法
とくに、相手が上司、恩師、親族など、両親が面識のある相手だったり、新郎新婦がお世話になった(ている)相手だったりする場合は、両親から渡してもらうほうが良いでしょう。
披露宴の間、親は各テーブルを回って挨拶をしていきますが、そのタイミングでご祝儀も渡してもらうとスマートです。
両家で重なってしまうことがないように、あらかじめリストを作っておきどちら側から渡すかを打合せしておくといいですね。基本的には、新婦の上司には新婦側の両親が渡すなど、そのゲストをご招待した側から渡すのがわかりやすくていいでしょう。
また、親から渡してもらう場合は渡しそびれがないように親に伝えるようにしましょう。「親族と話しこんでいるうちに披露宴が終了してしまい、渡しそびれてしまった」ということが無きにしもあらずですから、あらかじめ注意しておきたいですね。
他にもこんなタイミングで……
「受付時」「親から」といった渡し方のほかにも、以下のようなタイミングで渡すこともあるので、参考にしてください。
- お見送りのときにプチギフトと一緒に
- 披露宴終了後に直接渡す(仲人をしてくれた人)
ただし、お見送りのタイミングは新郎新婦から直接渡せるものの、渡しそびれが発生する場合も。
式が終わった後、すぐに帰ってしまうゲストもいるので、気を付けましょう。
また、これはどのケースにも言えることですが、ゲストがお車代を辞退するようなこともあるかもしれません。しかし、渡してもらう場合は「二人からの気持ちですので」と、丁重に伝え必ず相手に渡してもらうように伝えておくと良いでしょう。
もし、お車代渡せなかった場合は後日、品物に変えてお送りすることもあります。
ゲストに感謝の気持ちを込めて、渡そう
ゲストにとってみれば、ご祝儀のほかに交通費や宿泊代がかかるのは大きな出費です。ただ、皆さんあなたたちの結婚を祝福したくて来ているわけですから、そもそもお車代をあてにはしていないはずです。
とはいえ、お車代を渡さないとマナーを知らない新郎新婦だと思われてしまいますし、今後の関係性に影響も出かねません。そして何よりも、せっかく駆けつけてくれるゲストにとって大変失礼にあたります。今回ご紹介した目安や渡し方に気を付けて、スマートに渡すようにしましょう。
また、お車代を考えて「出費が増えるから遠方のゲストは呼ばないでおこう」ということにはならないようにしたいですね。あくまでお車代は二人からの気持ち。目安はありますが、二人にとって無理のない範囲での誠意で大丈夫です。
そしてお車代以上に忘れないでいただきたいのは、当日、「遠いところを本当にありがとう」というお礼の言葉を伝えること。当日はバタバタしてゆっくり各ゲストと話すことができませんが、感謝の気持ちを伝えることは忘れずにいたいですね。