結婚前から子育てが不安?男性の育児休暇取得の現状は?
結婚を視野に入れると考え出す、または意識し出すのが「家族計画」ではないでしょうか。
もちろん、相手とずっと一緒に生きていきたいと思うことから結婚はスタートするのですが、家族計画は特に女性にとって大切なものです。
それは、子どもを持つという事が女性にとっては今後のキャリアプランに大きな影響を与える人生の一大イベントだからです。結婚を機に仕事を辞める女性もいますが、共働きが増えてきた昨今では女性の育児休暇取得率が上がっています。
ですが、男性はどうでしょう。
最近では「ワンオペ育児」(ワンオペレーション育児=一人で育児を行う事)という言葉も聞かれます。この言葉からもわかるように、何となく日本では育児は女性がするものといったようなイメージが定着していますが、育児は本来夫婦二人で協力し合って行うものではないでしょうか。
この言葉が示すように、出産・育児でキャリアをストップさせるという事だけでなく、そして育児を自分一人で行わなければいけないという可能性まであると、女性が結婚前から子育てに不安を抱くのも不思議ではありません。
さすがに出産を男性に代わってもらうことができないため、産休は女性しか取れないものだとしても、育児は男性にも手伝ってほしいところです。
そこで今回は、特に男性の育児休暇取得の現状についてご紹介します。
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目次
男性の育児休暇取得率は
厚生労働省の調査による男性の育児休暇取得率は、2016年度のデータでは3.16%でした。2002年度は何と0.3%!それに比べると10倍以上も上昇しており、各メディアでも「過去最高」と謳っています。
それでもたったの3.16%です。驚きの数字ですね。
一方の女性は81.8%であることを考えると、いかに男性の育児休暇取得率が低いかが窺えます。
また、世界に目を向けると福祉に手厚い北欧では何と約80%の男性が育児休暇を取得しています。
しかも、例えばノルウェーでは子どもが3歳になるまでの間の「好きな時に」夫婦で相談して育児休暇が取れるという制度が。
例えば、最初に母親が育児休暇を取得し、のちに父親が育児休暇を取ると、子どもは長い間親と一緒に居られます。また、夫婦そろって同時期に育児休暇を取ると二人で子育てをしているという実感が生まれやすくなるようです。
このように、夫婦の考え方やライフスタイル、子どもの様子に合わせて自由に組み合わせることが出来ます。
北欧以外でも、ヨーロッパや北米の男性の育児休暇取得率も高く、日本は異常に低い状態だと認めざるを得ません。
更に驚き!育児休暇の日数は?
日本男性の育児休暇取得率の低さには驚かされましたが、その育児休暇の内容を見ると更に驚愕です。実はこの男性の育児休暇ですが、取得日数で見てみると「1~5日」が全体の約4割、「5日~2週間」が全体の2割という結果となっています。
育児休暇と言いつつも1~5日なら普通の有給休暇と変わらないですよね!しかもこの期間は、まだ母子が入院しているころ=病院でのケアがあり手がかからない時期なので、実際の育児が始まるころにはほとんどの男性が職場に戻ってしまっているというのが実情です。
育児休暇取得率が約3%なのに、その多くの方が数日しか休んでいないなんて、日本の男性のほとんどは育児休暇を取っていないという事となります。
ちなみに、ノルウェーでは最低でも12週間の育児休暇が与えられ、スウェーデンでは最低でも60日は父親が休暇を取るように法律で決められています。
取得率も取得日数も海外とは驚くほど違う日本の男性育児休暇です。取得日数が少ないのに、取得率も少ないとは何か理由があるに違いありません。
対策はされていないの?
安倍首相も「女性が参加できる社会作り」を推し進めたいと言っており、そのためには父親の育児参加が不可欠だと2010年から育児・介護休業法の改正が行われていますが、残念ながらまだまだ男性の育児休暇取得率は低いことから一般社会では浸透していないようです。
男性の育児休暇取得率が低い理由は?
男性の育児休暇取得率が低い理由は、何といってもまずは「男性にも育児休暇が必要だ」と一般社会に知れ渡っていないことでしょう。
日本では古来より「男は外で仕事をして女が家庭を守るものだ」という考えが浸透してきました。また、いきなり男性に育児休暇の制度を充実させると「男性が育児休暇をとる必要があるの?自分の時はなかったのに」と上司から冷たい視線を受けてしまいます。
こういった社会背景や世代間の不公平感があることで、現在も育児休暇という制度がありながらも使えずにいる男性が多くいるのです。
実際、東京都が取ったデータでは育児休暇を取りたいといった人が7割にものぼっており、多くの人が育児休暇を取りたくても我慢していることが分かります。
男性の育児休暇取得率を上げるには、こういった社会通念を変えていくことが必要不可欠です。
北欧も昔は育児休暇取得率が低かった!
男性が育児休暇を取りづらい環境は、何も日本に限ったことではありません。
振り返れば、北欧だってそういった時期がありました。1993年の法律改正までは、ノルウェーでは男性の育児休暇取得率は3%でした。これは現代の日本と同じですね。
それが、法を変えて「無理やりにでも父親に休ませる」ことで9割以上の男性が育児休暇を取得するようになりました。
こういった実例があるので、ぜひ日本も北欧に倣って法整備を整えていってほしいところです。
ただ、それにはどうしても時間がかかるので、まず私たちができることは「男性の育児休暇」に対する偏見をなくし、取得するのが当然だという雰囲気を創り上げることでしょう。
家事分担などもきちんとしておきたい
日本の男性の育児休暇取得率はまだまだ納得のいく数字ではありませんが、世間では昔に比べて男性が子供の面倒を見ている様子が見られるようになってきました。
「イクメン」という言葉が定着してきたように、男性の育児参加が少しずつですが進んできています。
これは女性が家族計画を考える上で嬉しい変化です。しかし、それだけでなく、共働きの夫婦であれば家事分担などもよく問題になります。
ただでさえ育児で時間が全く取れないのに、家事もしなければならないとなれば女性には休む暇が与えられません。
育児休暇は旦那様のお仕事内容や会社の体制などが絡んできて、一存で決められないこともあるかもしれません。そこで、結婚後も共働きの予定の方はせめて家事分担は最初から行っておくことをおすすめします。
そうすることで、子どもが生まれた時には旦那様に家事で協力してもらえるようになるでしょう。
いかがでしたか。
結婚してもキャリアアップを続ける女性が増えてきている傍らで、「欧米と比べると驚くほど低い男性の有給休暇取得率ですが、その背景には男性が仕事を抜けられない会社の体制、育児休暇は男性が取るものだと思っていない社会の様子があることが分かりました。
例にも述べたスウェーデンなど北欧の国は、日本よりも一足先に少子高齢化の問題に目をつけ、実際に政策を変えて問題解決に努めています。
日本もそうなっていくことを望みながら、私たちにできることは父親の育児休暇を当たり前のものだとして受け止め、夫婦で子育てを行える環境作りを目指していくことではないでしょうか。